植物は沢山の種類があり樹形や仕立て技術は異なっていますが、植物には原理があり生理面から基本となる原理を学習することは個々の種類での幅広い応用となり役立ちます。
庭木の仕立てと管理では基本樹形には自然樹形と人工樹形が主として分けられます。
剪定の目的は管理、観賞を主たる目的とする場合、見た目だけではなく、病気や虫食いを防ぎ生長バランスを整え、限られた範囲で美しく健康に整った姿で管理、観賞するよう導くことです。
剪定や整枝の意図した目的は必ずしも答えが1つではありません。がしかしどのような目的で処置をしたのかが明確に説明できず、「何となく枝を切った」「適当にやってみた」などというようなことだけはお止めください。
植物が剪定を必要としているのは、原則、植物のために必要だからです。
今、この目の前の枝を迷ったら切ってはいけません。今どうしても切らなくてはならない理由が無いなら、よく勉強し直して、後日またトライして見てください。(植物は逃げません)
剪定 前 剪定 後

植物も立派な生き物です、承認されていないような薬剤や市販のものが手元にないからといって不適切な代用品の使用もお避けください。
人が口に入れられないような物を植物に施すなということはよくいわれます。
ここでは樹木の剪定をお話させていただきますが、草花もピンチ、摘心すること。「新芽をピンチして枝数を増やす」が必要です。
草花(一年草、宿根草)と樹木の違いはご存知でしょうか、定義見たいなもの。
検索すると樹木は低木、常緑樹、などと仕分けられ、草花は一年草、多年草というように説明されていますから大体はお分かりになると思います。
後ほど説明しますが、樹木か草花かを確認することは大切なことで、むしろこれが分かっていれば出だしでつまずかづにすみます。
日照と上下の差
剪定とは先端を切る作業です、先端からどこまで切るかは別として先端が無くなると樹木はどのような反応をするのかを理解する必要があります。
頂芽優性とは樹木全体の発育優位は頂芽部分であり植物ホルモン「オーキシン」などの情報伝達物質、生長調整物質を茎頂で合成し基部方向へ移動する。つまり頂芽が優先的に生長して側芽の生長を抑制する調節に関与し、光の方向に芽が向く屈光性、根が下を向く屈地性もオーキシンの役割が大きく関与していることから、発育促進剤にも利用されています。
剪定や摘心は頂芽を除去し側芽の発達や促進をさせながら全体のバランスを整えることができる素晴らしい技術です。
上の図で忌み枝の説明に用いた樹木は常緑広葉樹のつもりですが実際にはもっと複雑で葉があったりすると中々分かり難いものです。
先ず下から上へ忌み枝の確認と除去作業でスタート台に立てます。しかし長らく手入れされていない樹木などは忌み枝の除去のみでも立派に蘇る場合が結構あります。
それと、忌み枝を全て除去してしまうと何も残らないといったケースもあるので、内向き枝、懐枝、立ち枝など以外で切り残してしばらく様子を見たほうがいい場合もあるので小まめに全体を確認しながら進めていきましょう。
枝の名称
樹木と草花の違いとは、植物学ではハッキリとした定義はないようです、この地球上にはまだまだ不思議な生物が存在し解明しきれていない数の方が遥かに多いようですから。
草とは地上部が枯れ、若しくは枯れなくても年輪を作らない植物。また開花し,結実することによって地上部(1年草の場合は地下部も)が枯死する性質を持つものを草と定義することが一般的です。樹木は地上部が一年以上生きて茎が木質であり枝や葉を出し伸長成長を繰り返す。幹や枝が太くなる肥大成長により形成層が作られる。ですから竹は草になります。バナナやヤシは樹木ではありません。根と葉の間は茎ですが樹木では幹と表現するのは年輪が作られるからです。

ガーデニング園芸肥料の基礎知識 1
水は十分やっているのに、鉢や花壇などの植物の元気がなくなったり、葉が黄色くなったりすることがあります。
これは植物と土の相性が合わなかったり、生育に必要な成分が不足していると起こります。植物を元気に育てるためには、土の状態をよく調べ、必要な用土や肥料を与えて、植物に合った環境を整えることが大事です。
植物が必要な三要素・養分
生育に必要な養分は、チッソ・リン・カリウム・カルシウム・マグネシウム・硫黄・マンガン・硼素・鉄・亜鉛・モリブデン・銅・塩素です。中でもチッソ・リン・カリウムは特に重要な働きをし、比較的多量に必要とするので、三要素といい、その他のものは微量要素といわれています。
【三要素】
・チッソ:葉や茎の生長や生き生きとした緑の葉にはかかせないものです。不足すると葉が小さく黄色く なり、ひどいときには下葉から枯れてきます。しかし多すぎると葉や茎ばかり伸び、花実がつきにくくなったり、病虫害にあいやすくなるので注意が必要です。
・リン:細胞の核になり生育を促進します。リンが不足すると葉や茎だけでなく根の生育も悪くなるので、風で倒れやすくなったり、開花が遅れたり、葉の色も暗緑色から紫色になっていきます。
・カリウム:カリウムが不足すると澱粉や蛋白質の合成が悪くなり、葉が黒ずんだり枯れたような斑ができることもあります。多すぎると微量要素の吸収を妨げることがあるので注意が必要です。
有機肥料の成分と与え方
植物、動物、魚、などの排泄物から作った肥料で、三要素や微量要素がバランスよく入っているものもあります。ほとんどのものは、土の中で微生物に分解されてから植物に吸収されます。
即効性はありませんが、効果が長持ちするので多くは元肥として使われています。
有機物なので、ニオイがあったり、害虫が発生しやすいのが欠点ですが、無臭の骨粉なども市販されています。
また有機肥料の中でも、発酵油カスは即効性があります。
・魚粕・油粕=チッソが多く他の成分もある。元肥にはそのまま土にすき込み、追肥には水ガメで20日ぐらい腐らせ、上澄み液を薄めて使う。
・鶏 糞 =三要素・微量要素を含む。元肥として植物を植える1~2週間前にすき込む。肥料としてだけでなく、土壌改良材としての働きもある。
・骨 粉 =リン酸が多く、チッソも含む。骨粉だけを使うと効果がなかなか表れないので、堆肥と一緒に与える。
・堆 肥 =量は少ないが、三要素・微量要素を含む。全体にまいて土にすき込む。少量のときは溝を掘って与える。
・園芸有機肥料=三要素・微量要素を含む。発酵させ、乾燥させた鶏糞粉末。根の回りに直にまく。

ガーデニング園芸肥料の基礎知識 2
その他 肥料
・化成肥料:硫安、尿素、熔成燐肥など植物に必要な成分を化学的に合成したもので、無機肥料ともいいます。病害虫もうけにくく、ニオイもあまりありません。また、植物が吸収しやすい状態になっているので、即効性がありますが、水に流れやすく持続性がないので、追肥として与えるとよいでしょう。しかし、与えすぎると濃度障害を起こすので、十分注意が必要です。
・複合肥料:三要素・微量要素をバランス良く配合した肥料です。粉末、液状、粒状などあり、最もたくさん使われています。持続性をもたせるために、水に溶けにくくしたものや、土中の微生物によって分解されて効き目の表れる固形のものもあります。
・専用肥料:植物は種類や栽培している環境などによって、必要とする養分が異なるので、それに合った肥料を選ぶには、それだけの知識が必要となります。そこで最近は、商品名に植物の名前などが入った専用肥料も各種、市販されています。手軽に使えるため、園芸初心者にもおすすめです。
※肥料の与えすぎに注意
肥料の与えすぎは、肥あたり・肥焼けといわれる濃度障害をおこします。まず、土の中の肥料が濃すぎると、青菜に塩をかけたような状態になり、根の水分が失われて枯れます。このようになると葉先が黄色くなったり、しおれたり、ひどいときは全体が枯れることもあります。また、気温が高いとき何度も肥料を与えると水分が蒸発して肥料が濃くなり障害をおこすので十分注意してください。
肥料が葉にかかったりするとその部分が枯れることもあるので、取扱、保管場所に配慮してください。

支柱
支柱は、樹木を植栽する際に樹体を倒伏させないことと、風により大きく揺れて根鉢と植栽基盤に隙間ができたり発根した細根が切断されたりしないようにし、根の伸長を促進させるために設置するものであり、基本的には樹木が活着して根系を十分に伸長させ樹体を支持することができるまでの仮設物である。
そのため、支柱の種類と規格は、植栽する樹木の大きさに応じて、最適なものを選定する必要がある。支柱の主な種類としては、以下のものがある(図-Ⅱ .7)。
①添木型または一本型
樹高の小さい中木や高木苗木等の樹木に対して、竹等を幹に添わせたり斜めに支えるように打ち込み、幹と結束して支持するものである。
②鳥居型
切丸太を鳥居の形に組み合わせ、幹を結束して支持するものである。形状がシンプルであるため、植栽地の面積が狭い場所での設置に適している。二脚型、三脚型、四脚型(十文字型、二脚組合せ型) になるにしたがって支持強度が高くなるため、樹木の大きさと受ける風圧の大きさにあわせて最適なものを選定するようにする。
③八ッ掛け型
樹冠形状が傘状形や球形のような枝張りの大きい樹木等に対して、3~4 本の長丸太を樹幹や主枝にさしかけて結束して支持するものである。植栽地面積が広い場所での設置に適している。
④ワイヤー型
樹高が大きい樹木に対して、樹幹に結束したワイヤーロープを3~5 方向に斜めに張って支持するものであり、最も支持強度が大きい。植栽地面積が広い場所での設置に適している。
⑤その他
上記の他に、竹や丸太のかわりに鋼管等の材料を使用した「鋼製型支柱」や、地下部の根鉢を地中で支える「地下型支柱」などがあるが、上記の支柱に比較して費用がかかるため周辺景観との調和等の必要性に応じて適用を検討する必要がある。なお、鋼製型支柱では樹木の成長に応じて交換や撤去に手間がかかることや、地下型支柱では維持管理において劣化等の状況を確認しにくいことなどを十分に考慮しておく必要がある。
台風の襲来が多い沖縄県においては、街路樹の倒木実態調査において、支柱が設置されているものの樹木とともに傾斜してしまう事例が確認されていることから、全国的な設置基準よりも大きい規格の支柱を設置することで、台風による被害を軽減させることが望まれる(表-Ⅱ .9)。また、台風時の大量の雨水により排水が間に合わずに植栽基盤内の土壌が軟弱化した場合のことを想定して、支柱の根入れは基準値以上に深くまで入れることも重要である。
さらに、支柱の選定においては、以下のことに留意する。
・公園利用者や道路通行者の支障とならないよう、植栽場所に適した構造を選定する。
・樹幹や根鉢の固定が目的であるため、樹木規格にあった適切な構造で美観に考慮したものを選定
する。
・樹木を植栽後3~5年以上にわたって支持するものであるため、耐久性のある構造と材質である
ものを選定する。ただし、杉皮やシュロ縄等の結束材は劣化するため、あらかじめ交換時期の目安
を示しておく必要がある。
・樹木とともに景観を構成する要素となるため、修景上の配慮も必要であり、同系統の材質や色調と
なるよう統一感のある材料を選定することが望ましい。また、指定材料以上に太い丸太等は、支持強
度が過度となるだけで、景観上も好ましくない。
・添木は、本来曲がった幹を直にするために設置するものであるが、強風による幹折れを防止するこ
とにも効果がある。そのため、植栽樹種の特性等に応じて設置の必要性を検討する。






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